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第9回 : 春の食べられる身近な草花
        ―2020年3月7日(埼玉県加須市北川辺地域)


 関東地方の渓流解禁日(3月1日)を迎えると、半年ぶりの渓流釣りに胸を躍らせると同時に、山菜の味を思い出し、無性に食べたくなることがあります。
 山菜の旬は桜の花が咲く頃からですが、今年は暖かいので少し早まるのではないかと思い、まずは自宅の近所を散策してみました。
 私の住む地域は、北関東で利根川と渡良瀬川に挟まれたデルタ地帯。土地が肥えていて様々な植物が生えています。
 なお、植物の名前は通称とし、細かい分類はしていません。

 ①アザミ――アザミは100種類ほどあるといわれ、すべて食べることができるそうです。私は、手で触れても痛くない柔らかい芯の部分をナイフで切り取り、天ぷらにして食べています。茹でてからあえ物にも利用できます。もっちりとした食感はアザミとは思えません。



 ②カラスノエンドウ――道端などに生えているマメ科の植物で、小さな葉が交互に生えていて先に柔らかい巻きヒゲがあり、成長するとエンドウ豆そっくりの小型の豆鞘を付けます。新芽を集めておひたしで食べます。まとめてかき揚げもいけます。




 ③カラシナ――アブラナ科の植物でナノハナにそっくりですが、葉が刺々しいのですぐに見分けがつきます。自信がないときは、どの部分でもよいですからかじってみると正に辛子の 味がします。
 寒い時期が食べごろですが、花が咲くまでなら柔らかい葉を食べることができます。そのまま塩漬けにして1週間ほどして細かく刻んでちょっと醤油を垂らして食べると立派なご飯のおかずになります。また、さっと熱湯にくぐらせて、タッパーやジプロックなどに密封しておくと辛みが増してとても美味しくなります。堤防や空き地でたくさん見ることが出きます。

 ④ナノハナ――アブラナ科の花の総称で、一般的に「ナノハナ」と呼ばれスーパーなどでも売られているのは菜種油を採取できるアブラナで花茎と蕾の部分を食べます。全く癖がなくボリュームもあるのでおひたしを始め様々な料理に利用できます。カラシナと同じような場所に生えます。



 ⑤ノビル――ネギの仲間で、生えているそばにいくとニラの様な匂いがします。根に白い球根があり、それを生のまま味噌を付けて酒のつまみにしたり、茹でて酢味噌和えがお勧めです。似たような草がありますが、匂いと球根で区別できます。球根が大きくなるためにあと1ヵ月間ほど必要です。



 ⑥フキ――最もポピュラーな野草で、一度茹でてから、煮物、つくだ煮、みそ汁の具などどんな料理にも使えます。春先の葉が出たばかりの柔らかいものは葉と茎ごと茹でて醤油、ミリンなどで味付けして食べることができます。私は、サバの水煮やツナと和えるのが好きです。



 ⑦フキノトウ――春を代表する食用植物です。1年に一度はめちゃくちゃ食べたくなります。一般的には天ぷらがお勧めですが、長く楽しむには、フキ味噌にしたり、ミリンや砂糖、醤油で煮込んだつくだ煮が良いです。




 ⑧ヨモギ――寅さん映画で、おばちゃんやさくらさんが団子の材料として土手で摘んでいるのがヨモギです。草餅の材料として古くから慕われています。天ぷらが意外と美味しく、一度食べたらもう一度食べたくなります。




 ⑨カンゾウ――漢字では甘草と書き、根元の部分をかじるとほんのり甘さを感じます。大きなものなら根元の柔らかい部分を生のままマヨネーズ醤油で食べます。一般的には茹でて酢味噌和えや鰹節醤油で食べます。




 ⑩ダイコンノハナ――「大根花」「紫大根」など色々な呼び名がありますが、地元の人が使用している「紫大根」で紹介します。その名の通り紫色の花が咲き根は小さいけれど大根そのものです。日中戦争の時、日本兵があまりにも綺麗な花なので日本に持ち帰って増やしたと聞いています。柔らかい葉の部分を花と一緒に茹でて鰹節やマヨネーズ醤油で食べます。福島県金山町の「道の駅奥会津かねやま」では自生していたアザキ大根を摺り下ろしてソバの薬味に利用していますが、これがムラサキダイコンにそっくりで、一度味わってみたいと思っています。

※ここで紹介した内容は、3月25日発売の月刊「つり人」5月号に掲載された「里川で見つかる美味しい道草」の1部です。山菜部分も含めてごらんになりたい方は、本屋で立ち読みしてください。






渡辺政成(わたなべ まさなり)=埼玉憲法会議事務局次長



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